先月京都本願寺において御正忌報恩講法要がお勤まりになりました。国内外から沢山の方々がお参りになられたことでしょう。また法要等もインターネットにて中継配信されており、私もライブ中継にて参拝致しました。きらびやかなお荘厳は圧巻でありました。そのお荘厳について少しお話させていただきます。
お荘厳とは「仏様を中心としたお飾り」の事を意味します。ご本山にお参りされたことが無い方は、お寺の本堂内陣あるいはご家庭の仏壇を想像してみて下さい。この空間は仏様の悟りの世界であるお浄土を表していると教えていただきます。先に命終えられたご先祖の方々は、今暗闇をさまよっているのではなく、お墓で眠っているわけでもなくて、また新たにこのお浄土の世界に往(ゆ)き生(う)まれられ、仏様に成られているんだとお聞かせいただいています。そのお浄土の世界にたずねてみますと色々なお荘厳があることに気づかせていただきます。このような大きな法要ですと、打敷とよばれる三角形の装飾布ですとかお供物ですとか仏花とかがお飾りされます。毎日であればお給仕(おきゅうじ)と言いますが代表的なのは上記の写真でありますがお仏飯がその一つであります。また果物や菓子を供えるのも立派なお荘厳でございます。
最近お寺での法事が増えてきまして、果物や菓子のお供えをお参りに来た方々にしてもらうようにお願いしております。盛り付ける道具を用意しておきそこに並べていただくようにしています。それを私がお勤めをする前に内陣にお飾りさせていただくのですが、大体皆さんこう言うんですね。「住職さんこっちが前です。」この“前”とは仏様にお飾りするならば仏様の方に向けなければならないですが、必ず私たちの方に向けられてお供えされています。浄土真宗のお荘厳というのは一見すると私たちが仏様に向かってお供えするものだという方向で考えがちですけれども、本質的な意味は仏様を中心としたお飾りであり、仏様の働きが私に届いているという方向だったのであります。浄土真宗のお荘厳とは色々な意味がありますけれども、先ずは仏様の働きということを感じ取らせていただくところに心豊かさが開けてくるのでは無いでしょうか。最後に果物や菓子などを終了後お下がりとして命いただくところにもまた大事な意味があります。その場にお参りされた方や家におられた家族の方々に分けていただきお供え物を通じてお参りしていただきたいと思います。
この2月は前住職と坊守の祥月命日にあたります。特に坊守は一周忌となりますので役員ご門徒と親戚の皆様でお飾りをしてお参りしたいと思います。
岩見沢市志文 静雲寺 原正幸
このお荘厳の写真でありますが、2023(令和5)年にお勤まりになりました「親鸞聖人御誕生850年立教改開宗800年慶讃法要」のお荘厳であります。お餅・饅頭・羊羹がきれいに並べられております。中々近くでは見れませんので貴重な資料であります。ちなみに、小樽市で餅屋さんが全盛期の時100軒ほどあったそうですが現在は3軒とTVのニュースで報じられていました。みんなお餅食べなくなったんですね寂しいですね。