法話

アンパンマンのマーチ

 今、アンパンマンの原作者である、やなせたかしさんとその妻の小松暢さんをモデルとしたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」が放送されていますね。

 私は小さい頃によくアンパンマンのテレビ放送を見ていました。いつもオープニングで流れてくるあの曲「アンパンマンのマーチ」、当時の私は歌詞の意味などよくわからないまま聞いていました。「愛と勇気だけが友達さ」のところなんて、「アイちゃんとユウキくんしか友達がいないなんて、アンパンマンには友達が少ないんだなあ」とまで思っていました。

 しかし、その「アンパンマンのマーチ」の歌詞も大人になってから改めて見てみるととても心動かされるものでありました。

 ちなみに、テレビアニメのオープニングで流れていたのは2番の歌詞だということを皆さんご存知でしたか?

 1番の歌詞はこのように始まります。

  そうだ うれしいんだ

  生きる よろこび

  たとえ 胸の傷がいたんでも

 今、痛む胸の傷を抱えながらも、このいのちを生きているということは、よろこびである。

 阿弥陀如来という、ほとけさまは私の苦しみ、悲しみを見抜き、その苦しみ、悲しみから救いたい、必ずお浄土に迎えとり、ほとけと成るいのちへと仕上げるとはたらいてくださいます。そのはたらきは「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」となって私に至り届き、私の身に満ち満ちて、お念仏となって、ずっと私とご一緒くださいます。

 阿弥陀さまとご一緒の私のいのちは、苦しみ、悲しみは決して無くならないけれども、もう空(むな)しくないいのちなんです。だって、阿弥陀さまで満たされているから。

 私を大切に思い、はたらきかけてくれる存在がいるってとっても心強いことですね。私が生きているこのいのちは、阿弥陀さまに願われたいのちでありました。「南無阿弥陀仏」のお念仏は、私にそのことを教えてくれます。

 少しでも、仏教、浄土真宗、阿弥陀さまに興味、関心がある方、どうぞお寺にお参りくださいませ。ご一緒に阿弥陀さまのおこころを伺ってまいりませんか。

由仁町本覚寺 髙橋光慈

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